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あしあと

    温室効果ガスってどんなもの? 

    • [2020年4月1日]
    • ID:779

    地球温暖化の原因

    地球の表面は主に窒素や酸素などの大気におおわれています。大気の中には二酸化炭素などの温室効果ガスがわずかに含まれており、この気体は赤外線を吸収し再び放出する性質があります。

    このため、太陽からの光で温められた熱(赤外線)は、地球の表面から地球の外に向かって放出されます。赤外線の多くは熱として大気に蓄積され、再び地球の表面に戻ってきます。戻ってきた赤外線が地球の表面付近の大気を温めることを温室効果といいます。

    温室効果がないと、地球の表面温度は-19℃となってしまうと考えられていますが、温室効果のため地球の平均気温はおよそ14℃に保たれています。温室効果をもたらす気体は、主に水蒸気、二酸化炭素、メタン、フロン類で、なかでも二酸化炭素は大気中の約0.04%とわずかですが、もっとも温暖化への影響度が大きいガスです。

    • 人為起源温室効果ガス総排出量に占めるガス別排出量の内訳(CO2換算ベース)出典:IPCC第5次評価報告書Fig.SPM.1各種ガスの排出量2010年の割合。二酸化炭素(CO2)76.0%。内、化石燃料起源CO2は65.0%、森林減少や山火事などによるCO2は11.0%。メタン16.0%。一酸化二窒素6.2%。フロン類2.0%。
    人為起源温室効果ガス総排出量に占めるガス別排出量の内訳



    温室効果ガス総排出量に占めるガス別排出量

    出典)温室効果ガスインベントリオフィス
    全国地球温暖化防止活動推進センターウェブサイト(http://www.jccca.org/)より

    18世紀後半頃から、産業革命に伴い人類は人間の生活や産業活動にエネルギーをたくさん消費するようになり、エネルギーをつくるため、石炭や石油、ガスなどの化石燃料を大量に消費するようになりました。これにより大気中の二酸化炭素の量は産業革命前(1750年頃)と比べ40%程度増加しました。

    大気中の二酸化炭素などの濃度が増えてくると、温室効果が高まり、結果として地球の平均気温が上昇していきます。これが地球温暖化です。

    温室効果ガスに占めるガス別排出量の割合では、図2のとおり二酸化炭素が76.7%を占めます。石油や石炭などの化石燃料の燃焼などによって排出される二酸化炭素が最大の温暖化の原因になっています。

    二酸化炭素の排出量と世界平均地上気温の上昇変化はおおむね比例関係にあるとされています。

    地球温暖化の影響

    写真提供:2002年元旦アルゼンチンにて栗林浩撮影



    アンデスから崩落する氷河

    「全国地球温暖化防止活動推進センターホームページより (http://www.jccca.org/)」

    Photo credit:Masaaki Nakajima


    ツバル、フナフチ島(首都)
    環礁のため内陸から沸き上がった水によって浸水している町(浸水後)


    「全国地球温暖化防止活動推進センターホームページより (http://www.jccca.org/)」

    地球温暖化の影響(IPCC第5次評価報告書特設ページより)

    IPCC(補足1)第5次報告書によると、20世紀半ば以降に観測された温暖化の主な要因(95%)は、自然の変動ではなく人間活動であった可能性が極めて高く、大気中の二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素は、過去80万年間で前例のない水準まで増加しているといいます。

    観測により地球が温暖化していることは疑う余地がなく、1880~2012年において、世界平均地上気温は0.85℃上昇しており、最近30年の各10年間の世界平均地上気温は、1850年以降のどの10年間よりも高温となっています。また、海洋は人為起源の二酸化炭素の約30%を吸収し、海洋酸性化を引き起こしています。1992~2005年において、3000m以深の海洋深層においても水温が上昇している可能性が高い状況です。

    今後温室効果ガスの濃度がさらに上昇し続けると、今世紀末(2100年度末)には、世界平均地上気温は温室効果ガスが最も少なく抑えられた場合でも、0.3~1.7℃の上昇、最も多く最悪な場合は、最大4.8℃である可能性が高いと予測されています。

    また、今後地球温暖化に伴う海水温の上昇による熱膨張と氷河の融解などにより、今世紀末までに世界平均海面水位は、0.26~0.82m上昇すると予測されています。

    二酸化炭素の総累積排出量と世界平均地上気温の変化は比例関係にあるとされており、最終的に気温が何度上昇するかは累積排出量の幅に関係するといいます。

    もし、これからの数十年でより多くの排出を行えば、その後はより多くの排出削減が必要となります。

    (補足1)国連気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Changeの略)。人為起源による気候変化、影響、適応及び緩和方策に関し、科学的、技術的、社会経済学的な見地から包括的な評価を行うことを目的として、1988 年に国連環境計画(UNEP)と世界気象機関(WMO)により設立された組織です。


    温室効果ガスの種類

    温室効果ガスの特徴
    温室効果ガスの種類 地球温暖化係数 性質 用途・排出源 
     二酸化炭素(CO2)代表的な温室効果ガス 化石燃料の燃焼など 
     メタン(CH4)23 天然ガスの主成分で、常温で気体。よく燃える。 稲作、家畜の腸内発行、廃棄物の埋め立て。 
     一酸化二窒素296 数ある窒素酸化物の中で最も安定した物質。他の窒素酸化物(例えば二酸化窒素)などのような害はない 燃料の燃焼、工業プロセスなど。 
     オゾン層を破壊するフロン類
    CFC、HCFC類
    数千から1万程度 塩素などを含むオゾン層破壊物質で、同時に強力な温室効果ガス。モントリオール議定書で生産や消費を規制。スプレー、エアコンや冷蔵庫などの冷媒、半導体洗浄など。 
     オゾン層を破壊しないフロン類
    HFC(ハイドロフルオロカーボン類)
    数百から1万程度 塩素がなく、オゾン層を破壊しないフロン。強力な温室効果ガス。 スプレー、エアコンや冷蔵庫などの冷媒、化学物質の製造プロセスなど。 
     オゾン層を破壊しないフロン類
    PFC(パーフルオロカーボン類)
    数千から1万程度 炭素とフッ素だけからなるフロン。強力な温室効果ガス。 半導体の製造プロセスなど。 
     オゾン層を破壊しないフロン類
    SF6(六フッ化硫黄)
    22200 硫黄とフッ素だけからなるフロンの仲間。強力な温室効果ガス。  電気の絶縁体など。
    • 地球温暖化係数とは、温室効果ガスそれぞれの温室効果の程度を示す値です。
    • ガスそれぞれの寿命の長さが異なることから、温室効果を見積もる期間の長さによってこの係数は変化します。
    • ここでの数値は、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第3次評価報告書の値(100年間での計算)になります。

    出典:全国地球温暖化防止活動推進センターウェブサイト http://www.jccca.org/