角のないサザエ
- [2015年9月16日]
- ID:1267

鋸南町の竜島に、源頼朝がサザエの角を踏みつけた痛さから、怒ってサザエの角を無くしてしまったという、有名な民話がありますね。
鋸南町のように過激な話ではありませんが、和田町の花園にも同じような、角の無いサザエの話が伝わっていますよ。皆さん知っていますか。
治承四年(一一八〇年)の昔、頼朝が伊豆の石橋山の戦いに敗れ、安房に逃れてきましたが、その頼朝が花園の海辺を歩いていますと、太い角のサザエを踏みつけ、足に怪我をしてしまったのです。
頼朝があまりの痛さに悲鳴を上げますと、驚いた家来たちは、急いで頼朝の怪我の手当てを済ませ、「私たちの主・頼朝公が、サザエを踏みつけ、怪我をしてしまいました。次にまた、偉い人が通って、このようなことが起こると大変ですから、この海のサザエの角を無くしてください」と、海に手を合わせ、海神に祈ったそうです。
すると不思議なことに、花園の海に棲むサザエの角が無くなってしまったのです。