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里見の大猿

[2015年9月16日]

里見の大猿

むかし、富浦の岡本城を里見という偉い大将が守っていました。たいそうな戦上手で、向こう地(三浦半島)から攻めてくる敵と戦っても、決して負けるようなことはありません。それは里見の大将が大きな猿を一匹飼っていて、戦いに使っていたからです。猿は大将の命令をよく聞き、千人力もの力を出しさんざん暴れ、敵をこらしめたのです。
ある年、里見の大将は、岡本城は古くて小さいので、もう使いものにならないと考え、城を館山に移すことに決めました。そして館山に御殿のような立派な城を築くと、大将は家来を連れて、さっさと行ってしまいました。
猿はどうしたかと言いますと、城の庭にあった大きな松の木に、つながれたまま、置き去りにされてしまったのです。猿は、いつまでも大将を慕って鳴いていましたが、とうとう死んでしまいました。猿は大将を恨んで死んだにちがいありません。その怨念のせいか、館山に移った里見家は、まもなく遺れてしまいました。