蘇我殿(そがどん)の田植え
- [2015年9月16日]
- ID:5026

丸山の珠師ヶ谷(しゅしがやつ)には、むかし上総で栄えた蘇我(曽我)氏の分かれと思われる人たちが住み着いた、曽我という集落があります。
そこには、『蘇我殿の田植え』という伝説があり、次のように語られています。
「昔むかし、弘文(こうぶん)天皇に仕えた蘇我殿という豪族が、旧暦の5月7日、流離(りゅうり)の地上総での天皇をお慰めしようと、近郷近在の早乙女(さおとめ)を千人集めて、田植えの様子をお見せしました。
ところが、夕方になっても植え付けが終わりそうにないので、蘇我殿は、沈もうとする太陽を戻れ戻れと扇子(せんす)を扇いで止め、植え付けを終えさせたのです。
そんな大自然の法則を曲げるようなことをすれば、天罰が下るのは当然です。その夜に大雨が降り、せっかく植えた苗が全部流されてしまい、それだけでなく、蘇我殿も早乙女も一人残らず熱病に罹(かか)ってしまいました。
この伝説は、上総で大きな権力を振りかざした蘇我氏の行いを、戒めるためのものかも知れませんね。そのようなことから、珠師ヶ谷では5月7日を忌み嫌い、その日は田植えをしません。
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