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手水(ちょうず)を廻(まわ)せ

[2015年9月16日]

頭の長い男

昔、増間村のある金持ちの家に地頭(じとう)様が泊まった時のことでした。
朝早くお目覚めになった地頭様が、顔を洗うために、「おい、手水(ちょうず)を廻(まわ)せ」と家人に言い付けたそうです。ところが、増間村では、その頃、朝起きて顔を洗う習慣がなかったので、家中が地頭様の言った「ちょうず」とは何のことか判らず大騒ぎになり、その家の娘が教えてもらおうと、名主のところに飛んで行きました。
その話を聞いた名主も、本当は「ちょうず」が何か判らなかったのですが、知らないというのも癪(しゃく)なので、しばらく考えると、『そうか、うーむ、「ちょう」は「長」だな。「ず」は「頭(ず)」かも知れねえな。つまり、ちょうずを廻せとは、長い頭を廻せってことだ』と教えました。
名主の話を娘から聞いた金持ちの主は、急いで村中で頭の一番長い与作という男を連れてくると、地頭様の前へ行き、「地頭様、遅くなって申し訳ねえです。さっそく、ちょうずを廻します」と言って与作をぐるぐる廻したということです。

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