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開かずの厨子(ずし)

[2015年9月16日]

八坂神社

旧三芳村府中地区に八坂神社がお祀(まつ)りされています。古くは祇園社(ぎおんしゃ)と呼び、長い歴史がありますから、社(やしろ)の縁起(えんぎ)や伝承の中には不思議なことが語られています。そのお話です。
いつの世の頃か、府中の地に白髪の老人が一基の厨子(ずし)を持って現れ、里人たちに「我(われ)は出雲(いずも)大社の神官なり。当社の神体を安房の国府の郷(ごう)へ、安置いたすべしとの神勅(しんちょく)を蒙(こうむ)り、この地に来たれり、此(こ)の厨子に入った神体を祀れば、疫癘(えきれい)(流行病)悪病災難は無くなるであろう」と言い、白い雉子(きじ)になって飛び去ったそうです。
白髪の老人から授かった神体は霊験あらたかで、社を創建以来、府中の里を病の難からお守りくださっているのですが、神体は秘神体とされていましたので、代々の別当(べっとう)や高僧でも、厨子を開いて神体を拝むことはかないませんでした。もし厨子を開こうとすれば、たちどころに天罰(てんばつ)が下るからです。過ぎた昔のことですが、ある別当が神体を拝もうと思い、厨子に手をかけますと、忽(たちま)ち目がくらみ、転倒してしまったそうです。