高い草鞋(わらじ)
- [2015年9月16日]
- ID:2621

滝田から平群を抜けて岩井に通う道を、滝田街道と呼びます。
昔むかしの話ですが、その街道の岩井の入口に一軒の店屋があって、日用品や旅人のための草鞋を売っていました。
あるとき、平群の方からやって来た一人の旅人が、軒先にぶら下がった草鞋を見ながら道をたずねました。
店屋の主は、「左の方が市部(いちぶ)で、右の方が二部(にぶ)です」と親切に教えたのですが、聞いた旅人は、びっくりしてしまったそうです。地名の市部と二部を、物の値の一分(いちぶ)・二分(にぶ)と勘違いして聞いてしまったからです。
あまりにも高い草鞋の値に、この土地は、とんでもない所だと、店屋から飛び出し、急いで立ち去ったそうです。
一分というのは、江戸時代のお金の単位で、千文(せんもん)に当たる額ですから、数文の価値しかない草鞋に、聞いたこともない高い値が付いていると思って、旅人は驚いたに違いありません。ちなみに、その頃の宿場であった市部村の旅籠(はたご)の泊まり賃を言いますと、およそ百五十文でした。
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