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あしあと

    白蛇の恩返し

    • [2015年9月16日]
    • ID:1313
    白蛇

    平久里下区に、『蛇喰(じゃばみ)』と呼ぶ集落があります。その蛇喰の中央にある小高い山の頂に、むかし、お城があって、そこには、たいそう美しく、しかも心優しいお姫様がおりました。
    ある年の秋祭りのことですが、お城のお姫様が氏神様参りをしての帰り道、一匹の白蛇の無残な死骸に目をとめたのです。お姫様は、その白蛇の死を哀れみ城内の高台に蛇塚を立てると、お寺の僧にお経を上げてもらい、ねんごろに供養しました。そうしますと、お姫様の慈悲深い気持ちが通じたのか、お城のまわりにたくさんの蛇が棲みつき、お姫様を禍から守ったのです。
    蛇喰の集落では、今も大小さまざまの蛇が、野山はもちろん農家の母屋や納屋にも棲みつき、冬でも暖かい日には、田畑や家の庭先で見ることができますが、不思議なことに、むかしから、蛇に噛まれた者は、一人も無いというのです。それは、お城のお姫様に供養された白蛇の霊が、恩返しとして、後の世の住民たちも守っているからですね。