乳神様の洞穴
- [2015年9月16日]
- ID:2352

白浜の塩浦(しおうら)の大石川上流に小滝と呼ぶ滝があり、その滝の右側に奥行き5メートルほどの小さな洞穴(ほらあな)が開いています。
太古の昔は、この近くまで海だったと言いますので、波の力でできた洞穴かも知れませんが驚くのは、この洞穴に房州では珍しい鍾乳石があることです。鍾乳石は、山に降った雨が地面に染み込み、石灰成分の溶け込んだ水となって洞穴に垂れるとできるのですが、鍾乳石は百年かけても約1センチメートルしか伸びませんから、たいへん神秘的なものです。どうしてこの洞穴のある山へ降った雨に石灰分が含まれたかと言えば、山の地層の中に、古代の貝の化石がいっぱいあって、その貝殻の石灰分が溶け出しているからです。
土地の人びとは、この洞穴の乳房のような形の鍾乳石から落ちる水滴を見て、この水を飲むとお乳が出るようになると信じたのです。そのようなことから、妊婦がお乳の出るよう願(がん)をかけて、鍾乳石の水滴を飲んだのです。そして願が叶うと、洞穴の中に祀(まつ)られた乳神様の祠(ほこら)に、お礼の甘酒を奉納しました。
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