動物由来感染症について
- 初版公開日:[2022年12月13日]
- 更新日:[2022年12月13日]
- ID:17773
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動物由来感染症とは、人と動物の間で感染が成立する病気の総称です。人も動物も重症になる病気、動物は無症状でも人が重症になる病気、その逆で人は軽症でも動物は重症になる病気など、病原体によってさまざまなものがあります。

感染症の種類について
世界保健機関(WHO)が現在把握しているだけでも200種類以上の動物由来感染症がある上、従来知られていなかった新しい感染症も次々と見つかっています。そのうち、日本に存在している動物由来感染症は数十種類程度と考えられています。
動物由来感染症の代表的なものは次のとおりです。
病名 | 感染源 | 感染様式 | 主な症状 |
---|---|---|---|
狂犬病 | 犬、猫、アライグマ等の哺乳類 | 感染した動物にかまれると感染する。 | 咬まれた部位の知覚異常が現れ、恐水症、興奮、錯乱等の神経症状の後、呼吸麻痺で死亡。発症すると100%死亡する。 |
コリネバクテリウム・ウルセランス感染病 | 犬、猫、牛等の家畜 | 動物への接触、飛沫により感染する。 | 初期は、発熱や鼻汁等、風邪と区別がつかないことがある。その後、咽頭痛や咳が始まり、扁桃や咽頭などに偽膜が形成される。皮膚に膿瘍を起こすこともある。 |
猫ひっかき病 | 猫 | 感染した動物の咬み傷、ひっかき傷から感染する。 | 患部の発赤、潰瘍。発熱やリンパ節腫大。 |
パスツレラ病 | 犬、猫 | 動物の咬み傷、ひっかき傷から感染する。 | 患部の発赤、疼痛、腫脹。傷が深い場合には、骨髄炎になることもある。 |
回虫病 | 犬、猫 | 虫卵が存在する毛、糞、砂等が口にはいることで感染する。 | 小児に多い。発熱、肺炎、神経症状、眼球内移行、皮膚移行など。 |
重症熱性血小板減少症 | マダニ | ウイルスに感染したマダニに刺されて感染する。 | 発熱、消化器症状、頭痛、筋肉痛、意識障害や失語などの神経症状、リンパ節腫脹、皮下出血や下血などの出血症状。 |

感染症をふせぐには
動物には感染予防能力はありません。感染を防ぐのはあなたです。
動物からの病気の感染を防ぐため、また、動物に病気を感染させないために、下記のことに注意しましょう。

過剰なふれあいは控えましょう
健康な動物でも、口の中や爪に細菌やウイルスがいる場合があります。キスをしたり、口移しで餌を与えたり、スプーンや箸の共用はやめましょう。動物を布団に入れて寝ることも、知らないうちにひっかかれたりするので要注意です。

動物に触ったら必ず手を洗いましょう
動物は、自身には病気を起こさなくても人に病気を起こす病原体を持っていたり、毛にカビの菌糸や寄生虫の卵等がついていることがあります。知らないうちに、だ液や粘液に触れたり、傷口などに触ってしまうこともあるので、必ず手を洗いましょう。

動物の身の回りは清潔にするとともに、糞尿は速やかに処理しましょう
飼っている動物はブラッシング、爪切りなど、こまかく手入れをするとともに、寝床も清潔にしておきましょう。小屋や鳥かごなどはよく掃除をして、清潔を保ちましょう。タオルや敷物、水槽などは細菌が繁殖しやすいので、こまめな洗浄が必要です。
また、糞尿が乾燥すると、その中の病原体が空中に漂い、吸いこみやすくなります。糞尿に直接ふれたり、病原体を吸い込まないように気を付け、早めに処理しましょう。

室内で鳥類を飼育するときは換気を心がけましょう
羽毛や乾燥した排泄物、埃などが室内に充満しないよう、定期的な換気を心がけましょう。ケージや室内のこまめな清掃も大切です。

飼い犬には狂犬病のワクチンを打ちましょう
飼い犬は、登録(生涯1回)と狂犬病予防注射の実施(年1回)が法律で義務づけられています。
詳しくはこちらから。