ページの先頭です

共通メニューなどをスキップして本文へ

スマートフォン表示用の情報をスキップ

あしあと

    令和5年度施政方針

    • 初版公開日:[2023年02月27日]
    • 更新日:[2023年2月27日]
    • ID:11376

    令和5年第1回市議会定例会で市長が施策方針を述べました

     日本経済は、コロナ禍からの社会経済活動の正常化が進みつつある中、緩やかな持ち直しが続いています。その一方で、世界的なエネルギー・食料価格の高騰や欧米各国の金融引締め等による世界的な景気後退懸念など、日本経済を取り巻く環境には厳しさが増しています。

     政府は、物価高などの難局を乗り越え、日本経済を本格的な経済回復、そして新たな経済成長の軌道に乗せていくべく、GX、DXといった成長分野への大胆な投資を促進するとともに、「経済財政運営と改革の基本方針2022」に基づく、こども・若者・子育て世帯への支援等の少子化対策・こども政策の充実を含む、包摂社会の実現などの重要政策課題に取り組むとしています。

     さて、当市におきましては、コロナ禍や、物価高騰の影響により、さまざまな業種の方が経済的損害を受けています。生活支援給付金や各産業への支援などの実施により、徐々に回復傾向にありますが、低所得層や一部の業種では厳しい状況が続いており、今後も社会情勢を注視していかなければならないと考えています。

     財政面では、令和5年度は、市税が増収となる見込みであるものの歳入の大幅な増加は期待できず、一方で、原油・物価の高騰に伴う電気代や資材費の高騰、労務単価の高騰により経常的にかかる経費が増加する見込みであります。また、長期的な視点では、今後数年間は、公共施設再編整備等の大規模事業が集中していることから、事業実施にあたり有利な財源の確保には一層努力していく必要があります。

     直近の財政推計による当市の一般会計収支は、概ね収支が均衡した状態で推移するものと見込まれますが、普通交付税への依存度が高い当市の財政運営は国の政策に左右され易いこと、この先迎える更なる人口減少と少子高齢化への対応と老朽化した公共施設の管理にも適切に対応していく必要があることなどから、引き続き、将来を見据えた持続可能な財政運営の確保に取り組んでいかなければなりません。

     令和5年度予算におきましても、「第2次総合計画・後期基本計画」及び「総合戦略」の中心的なコンセプトである「子育て世代の維持・増加」の実現に向けて、当市の豊かな自然を最大限活かした、「自然との共生」によるまちづくりを基調とする、安心して子どもを産み育てられる環境をつくる「子育て・教育施策」、魅力あるしごとをつくる、「産業振興・経済振興施策」、選ばれる、ずっと住み続けたいと思われる「移住・定住施策」を、切れ目なく、強力に事業を展開してまいります。同時に、将来に渡っての健全な財政を堅持していくため、「公共施設等総合管理計画」に基づいた、施設再編、転用などを進めてまいります。

     予算の編成にあたっては、国・県の施策や制度改正の動向に留意しつつ、より一層の市税収納率の向上と、経常経費の節減、合理化を図りながら、各事業の必要性、投資効果、緊急度等を十分に勘案し、限られた財源の重点的かつ効果的な配分に努めました。

     こうして編成いたしました、令和5年度の一般会計当初予算案の総額は、260億7,500万円で、骨格予算であった前年度当初予算との比較では、22億600万円、9.2%の増、また、肉付け予算である補正予算(第2号)後の比較では、3,742万4,000円、0.1%の増であります。

     それでは、令和5年度に予定しております、主な事業につきまして、「自然との共生」によるまちづくり施策及び第2次総合計画・後期基本計画における重点プロジェクト、並びに、まちづくりの指針に沿ってご説明申し上げます。

     はじめに、「自然との共生」によるまちづくり施策といたしまして、環境づくりの推進、第1次産業の振興、自然を活かした観光・商工の振興、自然と触れ合う教育に取り組んでまいります。

     「環境づくりの推進」では、ゼロカーボンシティ宣言の下、2050年における二酸化炭素排出量実質ゼロを目指し、環境啓発、住宅用省エネルギー設備及び太陽光発電設備導入補助、また、森林環境の保全と森林資源の活用などに取り組んでまいります。

     第1次産業の振興では、地産地消の推進、新規就農者の支援、環境にやさしい農業の推進、栽培漁業の推進、漁業後継者の育成、外房漁村再生事業などに取り組むほか、輸入飼料の高騰対策として自給飼料の生産拡大支援を実施してまいります。

     自然を活かした観光・商工の振興では、ワーケーションを活用した市の魅力発信、地域おこし協力隊による自然体験活動推進事業、千倉の花畑再生事業などに取り組むほか、富山展望台の改修設計を実施してまいります。

     自然と触れ合う教育の取組では、地域の文化・伝統・自然について学び、また、自然体験学習の機会の提供により、子どもたちの故郷への誇りや愛着を育む南房総学推進事業を実施してまいります。

     次に、「第2次総合計画・後期基本計画」の重点プロジェクトといたしまして、子育て支援、教育の充実、仕事づくりの応援、移住・定住の促進に取り組んでまいります。

     子育て支援は、「子育て世代の維持・増加」に向けた重要な施策であり、引き続き、妊婦・乳幼児健診事業、預かり保育事業、病児・病後児保育事業、子育て支援・教育相談事業などを実施するほか、子ども医療費助成事業については、対象範囲を高校3年生まで拡充して実施してまいります。また、子育て支援センター「ほのぼの」について、老朽化に伴う大規模改修設計に加え、脱炭素化、再生可能エネルギーの活用を含めた改修の検討を進めてまいります。

     旧南三原小学校跡地整備事業については、子どもから高齢者までの幅広い年齢層にわたり、遊びや健康づくりが楽しめる公園を整備するもので、令和6年度までの2年間で整備工事を進めてまいります。

     旧平群小学校跡地整備事業については、地域の皆さまや子育て世代から要望の多かった公園を整備しようとするもので、令和5年度は設計を実施してまいります。

     次に、「教育の充実」では、児童・生徒の学力向上と、健やかな心と体を育むため、学校外教育サービス利用助成事業、学力の向上を目的とした各種事業、学校給食事業での「米飯給食の推進と地場産物の利用」を引き続き実施するほか、新規事業として子供の居場所をつくる発達相談・トレーニング事業を実施してまいります。また、学校教育施設の整備では、三芳小学校の校庭整備工事、富浦中学校のトイレ改修工事、千倉中学校の校庭整備工事、石積擁壁改修工事、嶺南中学校校舎の予防改修工事の設計などを実施してまいります。

     次に、「仕事づくりの応援」「移住・定住の促進」では、地方創生推進交付金の交付を見込んだ事業として、新しい人の流れを創造する仕組み、新しい仕事・雇用の創出、販路開拓の支援を包括的に実施する「地域活力創造・産業高度化事業」を引き続き実施してまいります。

     地方創生推進交付金事業以外では、就労・スキルアップ支援事業、移住・定住推進事業、UIJターンによる起業・就業者創出事業、住宅取得奨励事業のほか、新規事業として新婚世帯を経済的に支援する結婚新生活支援事業を実施してまいります。

     次に、「保健・医療・福祉の充実」では、生活困窮者自立支援のための相談窓口の開設や、障害者支援のための福祉タクシー助成事業、介護人材確保のための資格取得研修費用の一部助成事業、健康ポイント事業などを継続実施するほか、日常生活に医療を必要とする状態にある医療的ケア児の支援事業を新たに実施してまいります。

     次に、「地域交通・外出支援の充実」では、地域生活路線バス、市営路線バスについて、引き続き、創意工夫をもって、市民の移動手段を確保してまいります。また、高齢者に対する外出支援については、助成内容を拡充して実施してまいります。

     次に、「地域経済・産業振興」では、大学との連携による、産学協働地域活力創造事業を継続実施するほか、特産品の贈呈により地場産品等の流通に大きな効果を上げている、ふるさと納税推進事業について、企業版ふるさと納税も含め、一層の寄附額の増収を目指してまいります。

     農林水産業の振興では、枇杷や乳製品等の地域産品を加工し地域内外へ販売するため、総合加工施設の整備工事を令和6年度までの2年間で実施してまいります。

     観光業の振興では、温泉組合が実施する配湯事業に対する温泉郷活性化事業補助金、旅館等の温浴施設の整備費に対する温泉施設整備補助金、地域おこし協力隊による観光地域づくりプラットフォーム整備事業を推進してまいります。また、道の駅再生計画に基づき、富楽里とみやま及び、三芳村「鄙の里」の大規模改修事業を継続実施するほか、とみうら「枇杷倶楽部」の大規模改修工事について、令和7年度までの3年間で実施してまいります。

     次に、「社会資本整備」では、市民生活の利便性の向上と、地域産業、観光産業の活性化のため、国・県に対し、国道・県道の整備促進を働きかけていくほか、市道の維持管理を実施してまいります。また、安房地域2市1町及び君津地域で実施中の「ごみ処理広域化事業」、鋸南町と共同で整備する、「中継施設建設事業」、「し尿処理施設建設事業」を継続実施してまいります。

     このほか、千倉地区社会体育施設・コミュニティ施設等整備構想に基づく、旧忽戸小学校跡地整備と千倉総合運動公園整備の設計、とみうら元気?楽部については、老朽化に伴う大規模改修の設計を実施するとともに、施設整備にあたっては、太陽光発電設備の設置など、脱炭素化、再生可能エネルギーの活用を含めた検討を実施してまいります。

     次に、「行財政改革の推進」では、丸山分庁舎・公民館大規模改修事業、公共施設利用スマート化推進事業を継続実施するほか、デジタル化の一環として、新たに公開型GISの整備を進めてまいります。

     次に、「安心・安全なまちづくり」では、防災対策として、木造住宅の耐震診断・耐震改修費の助成、民家等の危険ブロック塀等の解消を引き続き促進するほか、地域と連携し自主防災組織補助事業を継続実施してまいります。

     次に、「協働のまちづくり」では、地域づくり協議会の活動を支援する、地域づくり支援事業、地域づくり協議会支援員設置事業のほか、市民活動応援事業を継続実施し、市民参画によるまちづくりを推進してまいります。

     このほか、「新型コロナウイルス感染症対策関連事業」では、コロナ禍の影響を受け、団体利用客等の減少により売上げの低迷が続く宿泊事業者の経営を支援してまいります。

     なお、新型コロナウイルスワクチン接種については、先日の報道にもありましたとおり、当面接種者の負担は無料となりそうですが、当初予算編成の段階では令和5年度以降の制度内容が不明でしたので、予算は計上しておりません。今後の国の動向をみながら、補正予算にて対応する予定であります。