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あしあと

    伊予ヶ岳(いよがたけ)の鳩穴(はとあな)

    • 初版公開日:[2015年09月16日]
    • 更新日:[2015年9月16日]
    • ID:4937
    伊予ヶ岳

    平群(へぐり)にそびえる名峰、伊予ヶ岳の中腹に、「鳩穴」と呼ぶ頼朝伝説のある穴があります。
    治承(じしょう)4年(1180年)、伊豆の石橋山の戦いに敗れた頼朝が、命からがら今の鋸南町の竜島に逃れ、味方の軍勢を増やそうと、東条氏を頼っていく途中のことでした。
    伊予ヶ岳の麓まで来たとき、前から頼朝に反感を持っていた長狭常伴(ながさつねとも)の軍勢に待ち伏せされ、行く手を阻まれてしまったのです。
    頼朝たちは急いで伊予ヶ岳によじ登り、穴に身を隠しました。
    それを知った常伴の軍勢は、穴をめがけて盛んに矢を放ちますが、幸いに穴までは届かず地上に落ちるばかりでした。
    しかし、時が経てば常伴の軍勢が頼朝の隠れた穴に突入してくることは明らかです。
    頼朝は、部下から一枚の白紙を受け取るとそれをちぎり、神の御加護を念じながら穴の外へ飛ばしました。
    すると摩訶不思議(まかふしぎ)、ちぎった白紙が数羽の鳩となって東条氏のもとへ飛んでいき、急を告げたのです。
    まもなく駆けつけた東条の援軍のおかげで、危うく難を逃れることができました。