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櫓(ろ)は暖(あった)まる

[2015年9月16日]

櫓

むかし増間村の新兵衛という百姓が、ある寒い日、村の名主に那古で暖かく寝られる布団(ふとん)を買ってくるよう頼まれました。
実は新兵衛は貧しかったため、布団を知らなかったのですが、どうにか町の人に聞き布団屋に行きますと、そこには布団がたくさん積んでありました。布団屋のあるじが愛想よく、
「どの布団も暖(あった)かくて、たくさん掛けると汗が出るほどですよ」と言いましたので、新兵衛が布団を触(さわ)ってみましたが、暖かくなく、汗も出てこないのです。
「俺(おら)をだましているな」と新兵衛は思い、ひとまず浜へ出て一休みし、どうしたものかと考えていますと、船頭が真っ赤な顔をして櫓を押しているではありませんか。
「おーい船頭さん、櫓を押すと体が暖(あった)けぇんかね」と新兵衛が大声で聞きますと、船頭が答えました。
「そっどこんじゃねえ。暑(あつ)うて大汗だ」。新兵衛は、ポンと膝を打ち。
「名主どんが暖(あった)こう寝(ね)んには布団より櫓だ」と決め、櫓を買うと馬に背負わせ帰りました。

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