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海へ流れた島

[2015年9月16日]

増間島

昔むかし、増間村に、二日二晩ものすごい大雨が降り、水神様(すいじんさま)を祀(まつ)ってあった川の中の島が流されてしまいました。
信心深い村人たちは、大勢で川を下りながら島を探しましたが、見付からず、海へ出てしまったのです。
皆(みんな)がっかりしましたが、「ついでに海も探してんべえ」と船を雇(やと)い、那古船形の海岸沿いに多田良村の大房岬の端(はな)まできますと、そこに似た島がありましたので、「えらく大きゅうなったが、俺(おら)が村から流れてきた島に違(ちげ)えねえ」と大喜びして、引いて帰ろうとしましたが、どうしても動かないので、仕方なく「増間(ますま)島」と名付けて水神様を祀り、村へ引き上げました。
それを知った多田良村の人たちは、「そんな馬鹿な話があるか、あの島は大昔から、あそこにあった」と言ったそうですが、増間村では一人残らず、自分たちの見付けた島は、本当に増間から流れていったものと信じていますから、正月と秋祭りになりますと、村の代表が、水禍(すいか)が起きないよう願い、島の水神様へ供物を持ってお詣(まい)りに行きました。