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石船弁天(いしぶねべんてん)

[2015年9月16日]

石船弁天(いしぶねべんてん)

白浜の根本海岸の西隅に、軍艦みたいな岩山があります。地元の人たちは、その岩山を「早崎(はやさい)の石船弁天」と呼び、厚く信仰していますが、そこには、とてつもなく大きな大蛇の伝説があるのです。
昔むかし、三浦岬の走水(今の横須賀市)で、山を崩す大きな普請(ふしん)があった時、そこに棲(す)んでいた大蛇が、新しい棲処(すみか)を対岸の房州にしようと、浦賀水道を泳ぎはじめました。しかし、流れの速い潮に押されて、太平洋に出てしまったのです。
「これは大変なことになった。」と大蛇は、白波を蹴立てて一生懸命に泳ぎ、ようやく白浜海岸に着くと長尾川をさかのぼり、神余(館山市)の大高尾まで進んだのですが、そこで大蛇は力尽きて死んでしまいました。
死んだ大蛇の大きさは、身の丈が三十尋(一尋は大人が両手を左右に広げた長さ)もありましたから、それを見た神余の人たちは、びっくり仰天。「きっと弁天様の遣いに違いない」と、その大蛇の骨を、根本の石船弁天に運び、埋めました。