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大太法師(だいだあほうし)

[2015年9月16日]

大太法師

むかし、それも大むかしの話です。大太法師という大人(おおびと)が、上総の方から安房に向かって、のっしのっしと歩いてきました。そのとき大太法師は、砂で汚れた足を洗おうと、岩井の浜辺に立ち寄ったのですが、「ああ、眠くなった」と、三キロ離れた富山(とみさん)を枕に、大いびきをかいて寝てしまいました。
大太法師は、二十一日間も眠りつづけ、ようやく目を覚ましたのですが、そのとき、大勢の村人が足元で何かを相談していました。村人がどんな相談をしていたのか、大太法師には聞こえませんでしたが、やがて村人たちには、長い梯子(はしご)を持ってきますと、大きな足の裏に立てかけ、いっぱい付いている砂を落とし始めたのです。大太法師は、足裏がくすぐったくなって大笑いしながら、むっくり起き上がりました。
村人たちは、雲までとどいている大太法師の姿に驚き、いつまでも見上げていました。そのときから、枕にした富山は中がへこんで、峰が北と南にわかれ、岩井海岸は、大太法師の足の砂で、遠浅になったのです。