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三体の御神像

[2015年9月16日]

三体の御神像

一条天皇の御代と言いますから、千年以上も大昔のことですが、安房国に、天地のひっくり返るような暴風が襲いました。海が荒れ、家もたくさん飛ばされましたので、村むらの人たちは恐れおののき、地に伏して暴風の過ぎ去るのを待つばかりでした。
やがて暴風は去り、大空は拭ったように晴れ渡りました。すると、それまで海上を漂っていた一艘の小舟が、波静かになったある村の浜辺に流れついたのです。村人たちが恐る恐る近寄ってみますと、その小舟の中から七色の光がさしていました。
何事だろうと覗き込みますと、高貴な方の正装と言われる束帯をまとった二尺(約六十センチ)あまりの、三体の神像が乗っていたのです。その神像のお姿は、誰も、見たことがないほど、おごそかなものでしたので、村人たちは畏れ敬い、さっそく三体の神像に、それぞれ社を造営し、村の鎮守としました。
三体の神像を一体ずつお祀(まつ)りした社(やしろ)は今も残っています。岩糸の貴船(きぶね)神社、海発(かいほつ)の子安(こやす)神社、白子の三嶋神社です。