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狸が漁師を起す

[2015年9月16日]

たぬきときつね

海で魚を捕まえるのは、暗いうちが良いので、漁師は朝早く起きねばなりませんね。ところが昔は、時計が無かったので、漁師が起きる時刻を知るには、鐘を撞いて貰うか、誰かにふれ廻って貰うことだったのです。
大正の頃の和田の話ですが、漁師を起こすのは年寄たちの役でした。和田・小浦では朝二時頃になりますと、船主のおかみさんが朝飯の仕度を始め、前漁師(めえろし(一人前になっていない漁師))の若衆は、船出の準備をしましたので、それに合わせ年寄たちが、和田から花園まで漁師の家を順に、「○○のだんなー、沖へ出るよう」「○○のせなあー、船が出るよう」と、天気が良ければ毎日ふれ廻ったのです。
ところが、それを狸や狐がすっかり覚えてしまい、とくに蟹田(がんだ)の狸は年寄の声を真似るのがうまく、「○○のだんなー、沖へ出るよう」「○○のせなあー(長男)、船が出るよう」と、ちょくちょくやって廻ったので、狸のいたずらとは知らず、漁師が起きて港へいきますと、とんでもない時刻だったそうです。