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雀と燕と蝙蝠

[2015年9月16日]

蝙蝠

文明十八年丙午(ひのえうま)(一四八六年)の大昔、丸の石堂寺に大火災が起きました。幸いにも、本堂と仁王門は無事だったのですが、その時のお話です。
平生(ふだん)から、石堂寺の本尊・十一面観音のお蔭を蒙(こうむ)っている小雀どもは、取るものも取りあえず、一族を引きつれて御見舞に上がりましたが、燕(つばめ)は身なりを気にして、化粧に時間をかけていたため、すっかり火災の騒ぎが納まってから、やっと参ったのです。蝙蝠(こうもり)は、その日も朝からうかうかと、遊びに出かけていたため、火災の起きたことさえ知りませんでした。
そこで十一面観音は、雀(すずめ)に、その時の御褒美として、人間と同じ穀物を食べることをお許しになりました。遅れた燕には、それを固く禁じ、稲が実る頃になりますと、遠くへ島流しすることにしました。
蝙蝠は、あまりに不心得だというので、鳥の仲間との付き合いを止めさせ、昼間は遊びに出られない罰をお与えになりました。そのため蝙蝠は、鳥からも、獣からも、罰当たりな奴だと仲間扱いされていないのです。