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忽戸(こっと)の灰汁井戸(あくいど)

[2015年9月16日]

灰汁井戸

千倉町の忽戸に「灰汁井戸」と呼ばれる洗濯井戸があります。
一年中、沸き出る水の量は少しも変わらず、その上、汚れが真っ白に落ちる不思議な井戸のため、その井戸のできた謂(いわ)れが、古くから伝えられています。
昔むかし、一人の旅の僧が忽戸のある家に、一夜の宿を乞うて立ち寄りました。その家は貧しい暮らしでしたが、温かく僧をもてなしました。
その翌朝のことです。家の女人(にょにん)が冷たい水で洗濯していますと、それを見た僧が、「冷たい水で洗濯はかわいそうだ、温かくもてなして貰った礼をしよう。」と、原の真ん中に生えている松の近くに行き、とんとんと、錫杖(しゃくじょう)で地を突いたのです。
すると不思議なことに、そこから温かい水が、とくとくと沸き出てきました。以後、その水は一日と変わることなく沸き出るため、何時とはなく、村人たちの洗濯井戸として使われるようになったのですが、不思議な霊験(れいげん)を現わした旅の僧は、いったい誰だったのでしょうね。実は弘法大師空海(こうぼうだいしくうかい)だったそうです。