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嶺岡(みねおか)の雷獣狩り(らいじゅうがり)

[2015年9月16日]

江戸時代の雷獣画

ずっと大昔のことです。嶺岡(みねおか)牧場の近くの村の人たちは、毎年正月になりますと、嶺岡の一番高い二つ山(ふたつやま)に集まって、雷獣狩り(らいじゅうがり)をしました。
それは、たくさんの雷獣を捕(と)らえれば、その夏は雷(かみなり)が少なく、捕らえた数が少ないと、雷が多い年ということになるからでした。
江戸時代の頃は、雷が今よりたくさん発生したのですが、稲妻が光り、雷鳴がとどろいて落雷が起きますと、天から雷獣が駆(か)けおりて、大木を引き裂(さ)いたり、人家の屋根を破り、天井や柱に、するどい引っ掻き傷のあとを残して駆け去るのだと、村の人たちは誰も信じていたのです。
嶺岡の雷獣狩りで捕らえたのは、「鼬(ゆう)」だと言われていますが、「いたち」のことですね。ですから、大型の黄いたちか、いたち科の貂(てん)だったと思われます。ついでに言いますと、黄いたち、貂、どちらの毛皮も当時はたいへん珍重(ちんちょう)なものでしたから、たくさん捕れば、雷も少なくなり、毛皮も高く売れますから一挙両得だった筈(はず)ですね。なお安房には、雷獣を捕らえた話がいくつかありますが、みな毛皮を取るのが目的でした。